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億単位の参入資金が必要 「カードゲーム=札束を刷る」の幻想

 
前回記事
「カードゲームは救世主? ゲーム専門店の現状(後編)」


前回記事では商材としてのカードゲームが販売店にはどのようなメリットがあるのかを述べました。
今回はメーカーにとってカードゲームはどのようなビジネスであるかに触れていきます。
つまり、今回は作り手側の視点です。


「カードゲームなんて札束刷ってるようなもんだ」
そういう話を聞いたことはありませんか?
確かに、一時期はコナミが遊戯王TCGでしこたま儲けたもんですから、
このような意見が出てくるのは想像に難くありません。

しかし、実際のところカードゲームを開発・販売しているメーカーはそう多くはないのです。
カードゲームが本当に与し易しなビジネスならもっと多くのメーカーが参入しているはずです。
実際、DS時代は今までゲームを出したことのない新興メーカーが数多くソフトを投入しましたし、
現在ではソーシャルゲーム業界で雨後のタケノコのように新しい開発会社が生まれています。


2011年現在のカードゲーム市場のシェアというのは、

コナミ(遊戯王TCGなど)、
タカラトミー(デュエルマスターズなど)、
バンダイ(バトルスピリッツなど)

の3社で75%以上を占めており、残りの市場を他のメーカーが細々と食い合うような格好になっています。
最近はブシロード(ヴァンガードなど)が勢力を伸ばしつつありますので、
2012年は勢力図が多少変わっているかもしれませんが。


このように、カードゲーム市場は上記3社によってガッチリと固められており、
新興メーカーがこの勢力に割って入るのはなかなか難しいことだと思われます。
また、カードゲームビジネスは年々参入障壁が高くなってきているという事情もあります。

なぜ参入が難しくなっているのかというと、

・本気で成功させるには莫大な資金が必要
・アニメ、雑誌などのタイアップの効果が薄れてきている
・ゲームバランスの調整が難しい

といった上記の理由が主に挙げられます。
上記の理由について、もう少し突っ込んだ話をしてみます。
続きをご覧ください。


 ・カードゲームへの参入には億単位の資金が必要

「カードゲームなんてイラスト描いてそれを印刷してるだけだから大してコストかかってないだろ?」
と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、それは間違いです。

確かに、カードそのものの製造費用は対したことがないのかもしれませんが、
開発に関わる人の人件費であったり、イラストレーターへの報酬であったり、
既存のキャラクターを使うなら版権料も必要ですし、
後述するアニメや雑誌とのタイアップなど、
カードを世に送り出すにあたって様々な工程があり、それに付随する費用もたくさんかかります。


「2012 ゲーム産業白書」に寄せられたブシロードの木谷高明社長の文章によりますと、
ヴァンガードの発売から6カ月で16億円を売り上げたそうですが、
同じ期間を含む8ヵ月でこれまた16億円の費用がかかったそうです。
一時期はJRの駅広告にこれでもかというほどブシロード関連の商品広告が掲げられていましたから費用の多さも納得です。

現在ブシロードはグループ全体で年商150億円(PDF注意)にもなっています。
結果的にブシロードの試みは成功だったと言えるのですが、
本気でカードゲームビジネスを成功させたければ億単位のまとまった資金が必要であることがこの一件を見るだけでも分かると思います。



 ・カードアニメの視聴率不振、雑誌発行部数の低下

日本のカードゲームをシェアの高い順に3つ並べると、
遊戯王TCG、デュエルマスターズ、バトルスピリッツの順で並びますが、
この3つには共通点があります。
それは、「児童も対象にしている」点です。

カードゲームをプレイしている子どもで親御さんと一緒に楽しんでいる子は少なくありません。
つまり、子どもにプレイしてもらうということはそのまま親の財力を取り込むことにもつながりますから、
子どもを味方につけられるのは大きな強みになります。

では、どうやって児童層に興味を持ってもらうか。
その手段として、カードを題材にしたアニメや漫画が大きな効果をあげてきました。
しかし、最近ではこれらを見る子が少なくなってきているようです。
例としてアニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」シリーズの平均視聴率の推移を示します。



yugioh.png 注意
今週のテレビアニメ視聴率スレまとめのデータを元に作成。
・元データはすべて関東地区分です。また、抜けや間違いもあるため、
正確に実情を表しているわけではありません。


一時期は9%を超える勢いだったのが、近年では2%台をうろうろしています。
もっと数字を取れているアニメだと思っていたので私も驚きました。

遊戯王はカードゲーム業界でずっとトップシェアを誇っていますし、
アニメに限らず視聴率の低下はテレビ業界共通の問題でもありますので、
これをもって遊戯王の人気が低下しているなどと言うつもりは決してありません。

しかし、こうした数字で見ても、感覚的に見ても、
発信力という点に関しては以前よりも勢いが落ちていると感じられます。


また、漫画雑誌についても同様のことが言えます。
児童向け漫画雑誌の王者である「月刊コロコロコミック」の発行部数は、
2004年には120万部近かったのが、2011年には83万部程度*1まで落ちこんでいます。
コロコロのライバルであった「コミックボンボン」に至っては2007年に休刊してしまいました。

*1 Wikipediaの月刊コロコロコミックのページに掲載されている「社団法人日本雑誌協会」発表の数字より。


このように、既存のメディアは以前よりも訴求力が落ちており、
同じ費用をかけても以前ほど宣伝効果が小さくなってきているのです。

子どもの数が減っただとか、娯楽が多様化したとか、原因は複合的なものだと思いますが、
カードの宣伝もより広範な手段で行わなければならなくなってきているのだと思います。
こういった点も、新規参入が難しくなっている原因の一つではないでしょうか。



 ・綿密なゲームバランス調整の必要性

恐らくこの部分がカードゲームにおいて一番気を使わねばならない部分でしょう。
コンピューターゲームのバランス調整も数値を変えたりプログラムを打ち込んだりで大変そうですが、
カードゲームはアナログなゲームで人の思考が介在するため、
思わぬ戦術を取ってくる人もいるかもしれません。
そういう意味で、カードゲームのバランス調整も色んな意味で大変な面があると思います。


「カードゲームは発売して終わりではなく、定期的に追加パックが発売される」、
という点は前回記事でも触れましたが、
継続的にカードを売っていくには丁寧なバランス調整とテストプレイが欠かせません。

調整とテストプレイが中途半端なままでいると、
とんでもなく強いカードを未調整のまま市場に出してしまいかねません。
そうするとそのカードを使ったデッキばかりが勝つということになる可能性もあります。


カードゲームはそれぞれのカードに一長一短があり、
それらがバランスを保っているからこそデッキに多様性が生まれ、白熱した勝負ができるのです。

デッキ構築の幅を失うことはそのままカードゲームの楽しみがなくなってしまうことを意味します。
そうならないようカード開発に関わる人たちは日夜テストプレイを繰り返すのです。


もっとも、どれだけバランス調整をしたとしても、新しいカードが追加されるに従って、
そのゲーム全体のパワーや効果はどうしてもインフレしがちになります。

また、発売されて間もないカードゲームの場合、
調整不足なのか、はたまたその時点ではその後の展開をあまり考慮していないかったせいか、
ぶっ壊れた性能を持つカード*2が登場することもあります。
その場合は制限カードを制定したり、ルールを改正したりする必要もあるため、
発売後も定期的なサポートが欠かせません。

*2 例えば遊戯王TCGの「サンダーボルト」は『「ノーコストで」相手の場にあるモンスターすべてを破壊する」』という壊れカード。当然禁止カードに指定されており、指定されてからその禁が緩められたことは一度もない。


このように、カードを発売する前も後も丁寧なバランス取りと細心のサポートが必要であるため、
小遣い稼ぎ感覚のいい加減な姿勢では参入することなど到底できない業界なのです。



 ・まとめ

・カードゲームビジネスを本気で成功させるためには億単位の資金が必要
・既存メディアの訴求力が小さくなってきた
・バランス崩壊を防ぐために、常にバランス調整とサポートが必要になる。


簡単でしたが、以上がカードゲームビジネスの参入が難しいという理由の説明になります。

カードゲームやビデオゲームに限らず、娯楽というのはカネと手間と関係者の情熱のたまものです。
ゲームをプレイするときは関わった人達への感謝と敬意を忘れないようにしたいものですね。



 関連記事
・カードゲームは救世主? ゲーム専門店の現状(後編)



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