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カードゲームは救世主? ゲーム専門店の現状(後編)

 前回記事
新作ゲームは儲からない ゲーム専門店の現状(前編)


新作ゲームは儲からず、中古ゲームを売って何とか利益を挙げている、
というゲーム専門店の現状を前回ではお伝えしました。
しかし最近は全体的にソフト販売が落ち込んでおり、趣味の多様化とも相まって、
単に中古ゲームを売っていくだけでは厳しい事情があります。
(参考:ゲーム業界.com様)

そこで現状を打開すべく、新たな商材に手を出すゲームショップが増えています。
その商材とは、カードゲームです。
とりわけ、トレーディングカードゲーム(TCG)と呼ばれるものですね。


TCGの国内市場規模の推移(単位は億円)
cardmarket.png

※メディアクリエイト刊「2012 ゲーム産業白書」の数字から作成。
ただし、2011年度のデータは最新のものに修正した。

カードゲームは近年右肩上がりに成長し続けている数少ない分野です。
全国のカードゲームショップは800店舗を超え、今なお増加中だそうです。
この市場規模を背景として、カードゲームを取り扱うゲームショップも増えてきました。
私の近所ではブックオフですらカードを扱っています。

また、店舗側としてもカードはゲームと比べて扱いやすい商材です。
その理由はいくつかありますので、続きから詳細を述べていきたいと思います。



 ・カードゲームは回転率の良い中古ビジネス

カードゲームの販売形態はいくつかありますが、メインはシングルカードの販売です。
強力なカードや人気のあるカードをショーケースに入れ、
1枚1枚値段を付けて販売する形態のことを指します。

シングルカードはユーザーからの買取りによって仕入れているので、
構造的には中古ゲームを売るのと変わりありません。
販売価格としては1枚あたり100円程度のカードから、
人気のカードによっては1枚2000円前後の値が付くこともあります。


勝利を第一目的としたデッキ、いわゆる「ガチデッキ」を構築しようとすると、
普通に諭吉が飛ぶくらいお金がかかります。
それでもカード1枚当たりの値段はコンシューマーゲームを買うより安いので手を出しやすい、
というユーザー心理があります。
そのため、一度カードゲームにハマるとその後カードにポンポンお金を出してくれるようになります。
カード廃人の友人を見てるとビデオゲームがすごく安上がりな趣味に感じられますね。
ビデオゲームはビデオゲームで初期投資に最低2万円くらいかかりますが(3DS+ソフトで大体そのくらい)。


また、カードゲームはコレクション性を兼ね備えています。
カードゲームをプレイするのとは別に、特定のカードが好きで集めているという層も存在します*1
カードゲームはマニアとの相性がいいゲームでもあるわけです。

*1 中には枚数問わず特定のユニットを集め続ける(無限回収と言われたりする)猛者も存在する。
数百枚レベルで回収し続けている人もいるらしく、ここまで来ると熱と言うより偏愛を感じる。
というかコモンカードならともかく、強力なカードを無限回収すると価格高騰の原因になりかねないのでほどほどにしてほしいのだが・・・。



店側としてもカードは「場所を取らない」という利点があります。
店舗という形態でショップを運営する以上、商品を置くスペースにはどうしても限りがあります。
限られたスペースの中で効率よく商品を配置する必要性を考えると、カードは強力な商品となります。
Wiiソフトのパッケージ面積があればカードが4枚置けますからね。

1363244428833.jpg
 Wiiソフトのパッケージ面積でカード4枚置ける


ゲームよりも回転率がよく、なおかつたくさん商品を置けるとなると、
これはショップ経営者が手を出さないわけがないですね。



 ・継続して売れる

カードゲームの特徴として、「継続して売れる」という点が挙げられます。
これはコンシューマーゲームにはない利点です。
コンシューマーにも長年に渡って売れ続けるソフトは一部にありますが、
大抵は発売したその週にほとんどの売上が集中し、
その後は売上がガクっと下がるのが普通です。

それに対して、カードゲームは一度発売したらそれで終わりではなく、
定期的に新しい追加パック(ブースターパックと呼ばれることが多い)が発売され、
新たに生まれる強力カードが商品として追加されていくのです。

もっとも、新しいパックが出て環境*2が変わったりすると、
今までの強力カードが凡カードになって価格が暴落することもあります。
そのためカードゲームは価格変動が激しく、カードを取り扱う経営者はカードゲームごとの環境や周囲のショップで付けられている値段などを考慮して買取価格や販売価格を決めなければなりません。

 *2 カードゲーム用語としての「環境」
簡単に言えばデッキごとの強さの情勢のこと。
「今の環境だと○○デッキが強いね」などと言ったりする。
カードゲーマーの間では日常語。


確かにカードはビデオゲームより儲かる商材ではありますが、
きめ細やかな取扱いが必要になりますのでこれはこれで大変な面がありそうです。
私にも似たような経験があり、1枚1000円以上で買ったカードが後に数百円レベルまで暴落していたときには何とも複雑な気持ちになりました。ソウルセイバーェ・・・。



 ・ユーザーが始めやすい

これは店側ではなくユーザー側にとっての利点ですが、
カードゲームは手を出しやすいという特徴があります。

先ほど、ガチデッキを作ったら諭吉が飛ぶと言いましたが、
ただ始めるだけならそれほどお金は必要ありません。

どのカードゲームでも大抵は買ったらすぐに始められる構築済みデッキが大体1,000円程度で売られています。小学生のお小遣いでも買える値段です。
(そこからカードにのめり込み、万単位でお金を使うユーザーが誕生するのは上記に書いた通りです)


また、カードゲームはビデオゲームと違い、中途参入が苦にならないという点があります。

ビデオゲームの場合、続編モノは安定した売上を見込めるものの、
前作をプレイしていないと話が理解できないのかなと思うユーザーも存在します。
よほど人気のシリーズでないとなかなか新規プレイヤーを多く取り込むのは難しくなっています。


一方カードゲームは発売して一定時間たってから始めてもユーザーの苦になりません。
むしろ有利になります。

どのカードゲームでも大抵年月を経るごとにカードのパワー・効果がインフレしていく傾向があります。
それこそ遊戯王OCGでは1ターンキルが可能なデッキ構築*3もあり、
後発カードほど効果が強力になっていくことが多いです。

*3 「そんなデッキ構築あっていいのかよ?」って友人に質問したら、
「対抗カードいれればいいじゃん」と真顔で返されました。
え・・・、私の感覚がおかしいの・・・?


環境がインフレするのに伴い、構築済みデッキも強力なものになります。
それこそ最初期からのプレイヤーにしてみれば、
後発組は「強くてニューゲーム」に見えるかもしれません。
今ではストラクチャーにバニホ互換が入ってる時代だものなぁ・・・(遠い目)。


また、後発ユーザーは先発ユーザーから色々アドバイスしてもらえるのも強みです。
先発ユーザーにとっては新たなカードゲーム仲間が増えるのは嬉しいものですので、
自分の知っている情報は大抵惜しみなく教えてくれるものです。
どのデッキやカードが強いかということも色々知ってますし、
先輩プレイヤーからのアドバイスはデッキ構築を考える上で参考になります。
こういったユーザー同士のコミュニケーションもカードゲームの楽しみの一つです。


このように、カードゲームは始めるにあたっての敷居が低く、途中から始めても全く問題ないゲームです。
カード効果を覚えるのは先発組よりも大変かもしれませんが、
質問すればプレイ中でも教えてくれる場合がほとんどですし。

それに、ゲームとはいえやっぱり勝負は勝ちたいものです。
プレイしていくうちに面白さに目覚めるとより強力なデッキを作りたくなるのが人情。
こうなると店側もホクホクです。
始める敷居が低いというのはそのまま店側にとってもメリットになりますね。



 ・カードゲームはアナログなSNSを作る

当然ですがカードゲームは相手がいないとできません。
また、勝負のための場所が必要になります。
そのための受け皿として、最近ではゲームショップでもカードゲームの対戦スペースを設置するお店も増えてきました。
それなりの店舗面積が必要なため、どこもかしこもというわけではありませんが。


小売店としてはまずお客様が来ないと商売になりません。
スペースを設置することによってお客様を呼び込むわけですが、
カードゲームと対戦スペースによって別の効果も生じます。
それは、カードゲームを核にしたコミュニティの発生です。

上記でも述べたように、カードゲームは価格変動が激しく*4
環境の変化もたびたび起こるゲームですので情報収集が欠かせません。
「どこそこのショップは値段が安い」だとか、「今日あのショップで大会あるぜ」とか、
ネットでもある程度情報を得ることはできますが、
地元周辺に関しては地元を中心に活動しているカード仲間とやりとりする方が自分にとって有用な情報を得られることも多いです。

*4 ショップによってカード1枚当たり500円くらい違うことも珍しくない。
少ないお金をやりくりしているプレイヤーにとって、価格情報はのどから手が出る情報だ。


このように、カードゲーマーにとって情報は命綱ですから、
情報を教えてもらったり、あるいは共有するために自然とコミュニティやグループが作られます。
また、それらの情報はどんどん他のプレイヤーにも伝わってきますから、
ネットワーク機能も併せ持つと言えるでしょう。

多くの人とつながり、情報が拡散していくという点で、アナログなSNSとも言えるかもしれません。
カードゲーマーにしてみれば、同じゲームを話題にしておしゃべりするのも楽しいので、
これらの情報が自然と話題に上ることが多いってだけなんですけどね。


このようにして発生したコミュニティは大抵いくつかの店舗を拠点としているのですが、
店側からすると彼らが常連になっているとみることができます。

ビデオゲーマーはゲームを売買するときにしかお金を落としていきませんが、
カードゲーマーは対戦のために店に寄ったとしても気分でカードを買っていくこともあります。
カードゲームのように、多くの人を巻き込んだゲームはなかなか廃れにくい*5ので、
店側としてもカードの常連を大事にしたいと思うのではないでしょうか。

*5 ただし、開発側でテストプレイをしっかりしていなかった結果、
ゲームバランスが崩れて一気に廃れるという事態はあり得る。
任天堂作品を題材にしたカードゲームも昔はFEやドンキーコングなどがあったが、
今ではポケモンカードゲーム(製造:任天堂 販売:株式会社ポケモン)を残すのみ。
カードゲームビジネスは意外と難しいのだ。




 ・まとめ

・最近はTCGを取扱うゲームショップが増えている。カードゲームは数少ない右肩上がりの成長を続けている市場。
・カードゲームは回転率がよく、継続して売れ、ユーザーが始めやすく、コミュニティを形成して常連化しやすいといった点で、ショップ側にとってメリットが大きい。


今回の記事を書いていて、カードゲームってソーシャルゲームに似ているなーと感じました。
発売して終わりではなく継続してテコ入れがなされる点、
ユーザーの初期投資が少なくてすむ点、
ハマったプレイヤーがどんどんお金を落とす点、
ユーザー同士でコミュニティが作られる点など、結構似ている部分が目に付きました。

ソーシャルゲーム的というと眉をひそめる人もいるかもしれませんが、
個人的には面白ければいいやと思っています。
お金がなければないなりにデッキを作って遊べますし、
一気にデッキを組むのではなく少しずつ組んでいくのも、強くなっていく実感がわいて楽しいですよ。
私もガチデッキよりは安くてそこそこ強いデッキを組むことが多いです。

ビデオゲーマー的視点で考えても、ゲームを販売している場所が少なくなるのは嫌ですので、
ゲームショップが新たな商材として、あるいは倒産リスクの軽減のためにカードを販売するのはやぶさかではありません。
店側としてもユーザーとしても選択肢が増えたということでいいんじゃないかなと思います。


ビデオゲームも楽しいですが、カードゲームも楽しいです。
ご興味のある方はご友人を誘って始めてみてはいかがでしょう?
私も先輩に誘われて一昨年から「ヴァンガード」を遊んでいます。

ヴァンガードは割と運要素が強いカードゲームですので初心者でも勝ちやすいですし、
ルールもけっこうシンプル*6です。

カードの絵柄もカッコいいものからかわいいもの、
果てはガチムチなユニット*7も存在するので、
小さいお子様から大きなお友達まで受け入れ層が幅広いです。
アニメも現在放映中ですのでそちらから入ってみるのもいいかもしれません(ステマ)。
最近はパワーがインフレ気味なのが若干気になるところではありますが、
みんな条件は同じですし、そういうところも含めて楽しんでいる人が多いと感じています。

*6 ライフポイント制ではなく6点ダメージを食らったら負けというルールなので複雑な計算がいらない。

*7 カッコいいユニット例→ブラスター・ブレード
  かわいいユニット例→トップアイドル・パシフィカ
  ガチムチなユニット例→ジャガーノート・マキシマム



さて、2回に渡ってゲーム専門店の現状を見てみましたがいかがでしたでしょうか。
正直言ってビデオゲームを「商材」として捉えると全然魅力がないように思います。
それでもいまだにゲームを取扱ってくれるのは、
ひとえにゲームショップ経営者がゲームを好きでいてくれるからに他ならないでしょう。

今回の記事でゲームショップの実情を知った方には、
今後メーカーだけでなく販売店のことも頭の片隅に置いてほしいなと思います。



 ・参考文献

最後に、参考文献を書いておきます。
前回記事では主に「最新 ゲーム業界の動向とカラクリがよ~くわかる本(第2版)(橘寛基さん著 秀和システム刊)」を使いました。
ゲーム業界に関して記事を書くときは大体これを基本テキストにしています。
書店では就職活動のコーナーに業界解説本として売られています。

カードゲーム事情に関しては「2012 ゲーム産業白書(メディアクリエイト編・刊)」を主に参考にしました。
市場規模やシェア状況などが載っていて貴重なデータブックであると同時に、
ブシロードの木谷高明社長の寄稿文も掲載されており、なかなか興味深かったです。
ただし個人で買うと高いうえに、大学図書館あたりでないと蔵書がないのもネック。

また、All aboutの田下広夢さんの記事「ゲーム屋さんにデュエルスペースが増える意味」も大いに参考にさせていただきました。
田下さんはゲーム業界について造詣が深く、
ゲームビジネスに関してきちんとした記事を書ける数少ない人です。
田下さんの記事はいつも勉強になります。


図解入門業界研究 最新ゲーム業界の動向とカラクリがよーくわかる本 (How‐nual Industry Trend Guide Book)   ゲーム産業白書 (2012)
左:「最新 ゲーム業界の動向とカラクリがよ~くわかる本(第2版)」
右:「2012 ゲーム産業白書」




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