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新作ゲームは儲からない ゲーム専門店の現状(前編)

ネット販売やDL版の普及に従い、家に居ながらにしてゲームを手に入れる人が増えました。
しかし、いまだにゲームはパッケージ販売が主流であり、
小売店に行って気になるゲームのパッケージを手に入れる人が割合的には多いです。

もっとも、ゲームを専門に扱うお店は年々減りつつあります。
どれだけ減っているかはデータがないので分かりませんが、
それでも「町のゲーム屋さん」が減ってきているのは皆さんも肌で感じているのではないでしょうか。


別段これは珍しい話ではありません。
スーパーマーケットが八百屋さんや魚屋さんを駆逐していったように、
ゲーム屋さんもヤマダ電機などの大型電気店に押されつつあるというだけの話です。
個人の専門店が大型の専門店、あるいは百貨店に追いやられてしまうのは時代的に仕方のないことなのでしょう。個人的にはさびしくもありますが。

しかし、ゲーム専門店が衰退しているのはそれだけが理由ではありません。
早い話、ゲームショップは儲からないのです。
今日はゲームショップがどのように業務を営み、
苦しい中でどのように生き残りを図っているかを見ていきましょう。


※一応注意しておきますが、一ユーザーの私が数少ない情報を元に記事を構成しています。
数値などは元となるデータを参照にして書いていますが、予想を含む部分もありますので、
業界の人から見ると全然実情と違うかもしれません。予めご了承願います。



 ・ほとんど儲からない新作ゲーム

意外かもしれませんが、新作ゲームはほとんど儲けがありません。
ここで言う新品ゲームとは、メーカーあるいは問屋から仕入れたゲームということですが、
「ゲーム業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」によると、
新品ゲームの仕入れ値はメーカー小売希望価格の75%にも達します。
つまり、ソフト1本当たりの小売店の取り分はもともと25%程度でしかなく、
新作ゲームソフトは元々利幅の薄い商品ということになります。

さらに、ゲーム専門店では新作ソフトを定価の10%引きくらいで売るのが普通です。
この値引きによって更に利益が減ります。
さらにさらに、お店をやっているならアルバイトの給料も出さなくてはなりませんし、
水道光熱費などの雑費もかかります。
これらをまとめると以下のような図になります。


ゲームソフト1本当たりの費用・利益分布図(単位は%)
retail.png
注:給料水道光熱費等の数字は仮のもの

こうしてみると、ソフト1本当たりの金額のうち、
最終的に販売店に利益に属する部分は全体の5%程度ではないでしょうか?
つまり、新作ゲームは20本に1本売れ残ったら赤字になるのではないでしょうか?

20本に1本とは私の予想でしかありませんが、あながち的外れではないと思います。
東京証券取引所から発表されている「平成23年度決算短信集計」(市場第一部のもの。PDF注意)によると、小売業の売上高営業利益率*1は5%にも達していません。

一部上場の企業ですらそうなのですから、
街角の個人経営のゲームショップの儲けがどうなっているかはさもありなんです。
ひょっとすると、個人経営だと給料による支出が少ない分もう少し利益率がいいのかもしれませんが、
それでもせいぜい10本のうち9本売ってようやくトントンという状態ではないかと思います。

 *1 営業利益
売上から製造原価を差し引いたものが売上総利益。
売上総利益から給料などの販売費や一般管理費を除いたものが営業利益で、
会社の本業による利益と言われている。
このほかにも経常利益、当期純利益というものもあるが、会計をかじっていないと分かりづらいので省略。
ちなみに、売上高営業利益率とは、営業利益÷売上高×100で表され、
売上のうち営業利益がどれくらいのパーセンテージを占めているかを表す。
10%いってれば結構儲かっているほう。



つまり、5,000円のソフトを売っても店には250~500円分くらいの利益しか残らないということで、
新作ゲームがいかに儲からないかが分かると思います。
パッケージソフトは高いとよく言われますが、小売店に残るのはこの程度でしかありません。
1本需要を読み違えただけでたちまち赤字になるのですから、
ゲーム専門店の経営が苦しいのは当然と言えるでしょう。



 ・返品制度がない

出版業界だと一般的な返品制度は、ゲームソフトという商材には存在しません*2
そのため、売れ残ったゲームはまるまる在庫として販売店に残ってしまうことになります。
こうなってしまうと、赤字覚悟で捨て値で売ってしまうか、最悪の場合は廃棄処分ということになります。
逆に、メーカーは問屋や小売店に商品を卸した時点で売上が確定するので、
小売店がどれだけ赤字を計上しようが、メーカー自身が損をすることはありません*3

*2アメリカの小売店では存在する。アメリカは小売店の力が強いようだ。

*3もっとも、売上本数が低いと次回作の入荷を絞られることがあるため、
長期的に考えると、手抜き作品の開発がメーカーの首を絞める行為であるのには変わりない。


仕入れても仕入れても売り切れるようなメガヒット作品は一部のゲームにしか記録されませんから、
大抵のソフトはどうしてもある程度売れ残りが出ることになります。
また、ぴったり売り切ろうと考えていても、思いのほか人気が出て仕入れが足りず、
本来よりも利益が少なくなってしまうという事態も考えられます。

ただでさえ利幅が少ないうえに、返品もできないとあっては、
よほどゲームの目利きができる人でも経営が立ち行かなくなることでしょう。



 ・中古ソフトで食いつなぐ

新作ソフトは思いのほか儲からないことが分かりました。
ではゲーム専門店がなにで生計を立てているかと言うと、中古ソフトの販売になります。

ほとんどのゲームショップでは遊び古したゲームの買取りを行っていて、
店頭にゲームを持っていくと、保存状態などの査定を経て値段を出し、
ユーザーがその値段に納得すれば取引が成立し、ゲームを現金で買い取ってくれます*4

*4ただし18歳未満が中古に売るときは原則として、親と一緒に店頭に行くか、
親の同意書を持っていかなければならない。


ブックオフで漫画を売るのと同じシステムですが、
ゲームはそれなりの値段が付きやすく、クソゲーであった場合などは別として、
新作ソフトであれば元々の値段の50~60%くらいは出してくれます。

あとで中古に売ることを考えると、新作ソフトであってもせいぜい2000~3000円くらいの負担で済むため、
「新品を買う→クリア後中古に売る→売った資金を元手にまた新品を買う」というサイクルを繰り返しているユーザーも一定数存在します。私もその一人です。

もっとも、中古販売はゲームメーカーに一切利益が出ないため、
メーカーからは目の上のタンコブのように思われているのが現状ですが・・・。


販売店にとっての中古の利点とは、買取金額(=仕入れ値)に融通が利くという点にあります。
例えば、1,000円でソフトを買取り、そのソフトを2,000円で売るとすると1,000円の利益が残ることになり、
新品ゲームを売るよりも利益率が断然良いことになります。

もちろん中古ソフトは大抵が「旬を過ぎた」ソフトであり、
買い取ってもそのまま在庫として売れ残ってしまう可能性もありますが、
新品ソフトと中古ソフト、どちらがより儲かるかを考えると、
中古販売をやめることはできないという判断になります。


メーカーに利益が出ないから中古販売はやめろという声がユーザーからも出ることがありますが、
ゲームショップが中古販売をやめたらとてもじゃありませんが食っていけないでしょう。
ゲーム屋はユーザーがゲームに触れる機会を提供すると共に、
その売上データはメーカーにとってもマーケティング調査などをする上で貴重なデータになりますので、
私としてはゲーム屋が潰れるのは本意ではありません。

もし中古販売をなくすのであれば、返品制度を設けるのが筋だと思います。
ただでさえヒーヒー言ってるゲームメーカーの現状を考えると無理だと思いますが。



 ・まとめ

・ゲーム専門店は減りつつある。時代の流れでもあるし、そもそもゲームショップは儲からない。
・仕入率(原価率)の高さ、返品制度が存在しないことが儲からない主な原因。
・ゲームショップが食べていくためには中古販売が欠かせない。


いかがでしたでしょうか。ゲーム業界というのはメーカーかユーザーからの視点がほとんどで、
ユーザーと最も距離が近いはずの販売店の視点で語られることは少ないです。
今回の記事で販売店の事情が少しでも伝われば幸いです。

正直言ってゲーム専門店というのは、ゲームメーカーよりも進退極まっており、
にっちもさっちもいかない業種だと思います。
メーカーですら厳しい状況ですから、ゲームショップがかつての隆盛を誇ることはほぼ不可能でしょうね・・・。


次回はゲームショップが生き残りをかけて新たな商材に目を向けているということを話したいと思います。
足繁くゲームショップに通っている人は想像がつくかもしれませんが、
きちんと市場規模などの数字を踏まえた説明を行うつもりですのでお楽しみに。



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