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偉大なるワンマン経営者 山内溥さん3つの功績 その3 社風の形成


任天堂は多数のユニークなハード、ソフトを発売してきました。
独創的でありながらもプレーヤーがきちんとゲームの世界に入り込み、
満足するソフトを生み出す力にかけては他の追随を許さない、
世界一のゲームメーカーであることは間違いありません。

任天堂がユニークなゲームを作り続けられる背景としては、岩田聡さんのような有能な社長や、宮本茂さんを始めとする優秀なクリエイターがいることが挙げられますが、
独創的なものを創りあげるという社風を山内さんが定着させたことも要因として挙げられるでしょう。


山内さんは度々、娯楽屋が人まねや普通のことをしていては絶対に売れないと言ってきました。
いくつか山内さんの言葉を紹介します。
(ホコタテブログさんの山内溥語録から引用します。太字強調は私によるもの)

娯楽という分野は、つねに従来と異質のものを開発しなければならないのです。つまり改良の程度ではダメです。
…このビジネスの世界は一日かかって説明しても、なかなか理解してもらえないのではないかと思うほど難しい

(『週刊ダイヤモンド』1984年12月15日号)


まだファミコンが発売されて間もない頃です。
この頃から普通のことをしていては駄目だということをわかっていたのですね。
ファミコン以前にも多くの成功と失敗を経験してきた山内さんだからこそかもしれません。


全くの新製品を作るためには、常識的な発想では人々を納得させることはできない。新製品に必要なのは、社会通念や習慣を変えるようなものでなければならない。そのためには非常識の発想が必要なんです。
みんながこうするから自分もそうするなんていうのは論外です。
我が道を行くという考え方、そのためには、他人に煩わされないで、自分の時間を多く持つことが大切だ。人と同じことをやっていたのでは、同じ考えしか出てこないんです
(高橋健ニ著『任天堂商法の秘密――いかにして“子ども心”を掴んだか』祥伝社、1986年)


山内さん自身、常人の域を飛び出ている人ですから説得力がありますね。
大体、企業というものは大きくなればなるほど保守的になり、
無難な人を取り入れるようになるものですが、トップであった山内さん自身がこういう人なので、
任天堂が常に革新的で若々しい組織であれたのでしょう。

なにより大事なことは、娯楽というものは飽きられるものだということ、ここが必需品と根本的に違うところです。必需品は飽きられない。そして基本的には、安いほうが売れる。ある品物が売り出されて、それに遅れて同じような品物が売り出された場合、必需品なら二番手でも安いほうが売れます。しかし娯楽は二番煎じはダメです。たとえ安くても売れない


これは任天堂自身が二番煎じを作ってしまった時期に実感してしまったのでしょう。
任天堂はかつてスペースインベーダーの亜流ゲームを作ったことがありますが、
本家を超えることはできませんでした。

山内さんはご自身ではゲームをすることはなかったそうですが、
ゲームビジネスは誰よりも理解していました。
それは、自分自身で会社を動かし、幾多の判断を下し、
普通の人よりも相当濃密な経験をしてきたところによるのでしょう。


以上のように山内さんは、娯楽企業として、他社との差別化、独創的な発想の重要性を長年にわたって口にしてきました。山内さんの存在が任天堂の企業風土の形成に関して重要な役割を担ったことは想像に難くありません。



 ・失敗してもへこたれないチャレンジ精神

任天堂は今でこそ豊富なソフト資産を持ち、マリオやポケモンに代表される看板キャラクターで堅実に稼いでいるという印象をお持ちの方も少なくない(実際はそれほど楽でもない)と思いますが、
今日に至るまでは様々な失敗がありました。

特にファミコン以前の多角経営の失敗は任天堂の歴史の中では割と有名で、
タクシー会社や食品会社、ベビー用品や果てはラブホテルの経営など、今の任天堂からはとても想像できないような業種に手を出していました。そしてことごとく失敗しました。


なぜ当時の任天堂がこのように節操無く広範囲に事業を手がけていたかというと、
「花札やトランプだけでは小さな会社に終わってしまう」と感じる出来事を山内さんが経験したからです。

1950年代、任天堂は世界初のプラスチック製トランプや、ディズニートランプの発売により、
博打の道具として見られていたトランプを、家族の団らんのための道具として広めることに成功しました。

その成功のまっただなかであった1958年、山内さんはアメリカ最大手のトランプ製造会社「U.Sプレイング・カード社」(リンク先英語注意)を訪れます。
アメリカの、しかも最大手の会社なのだからさぞ大きい会社だろうと山内さんは考えていたようですが、
実際のオフィスは思っていたよりも小さく、ショックを受けたようです。

それ以降、山内さんは会社を大きくするため、新たな収益源を探して多角経営の道を走り始めたのです。
迷走は70年代くらいまで続き、最終的に新たな収益源になったのが元々の玩具製造であったのは皮肉ですが、
それに至るまでの失敗がなければ山内さんの娯楽屋としての哲学は生まれなかったかもしれません。



 ・ゲームでは時代を先取りし過ぎた失敗が多数

様々な紆余曲折を経てゲーム業界という宝島へとたどり着いた山内さんですが、
そこにいっても安定機動へと移行しないのが山内さんたるゆえん。
今度は時代を先取りし過ぎた失敗を繰り返すことになります*1

*1 もっとも、その頃には本業のゲームビジネスを成功させた上での失敗なので、
会社が傾くほどの窮地に陥ることはなくなっている
(GC時代ですらSCEより任天堂のほうが利益が多かった)。



 ・FC時代 ファミコントレード

ファミコントレードCM↓


 ファミコンを電話回線につないで株取引ができる周辺機器が発売されました(1988年)。

今や株取引をネットで行うのは当たり前になりますが、証券会社との共同開発とはいえ、
25年も前にネット時代のシステムの片鱗を搭載するあたり、非常に先見の明があったといえるでしょう。

ただしFC本体、周辺機器、通信用カセットが必要だった上、
後者2つはおもちゃ屋では売ってなかったそうで、
始めるにあたっての敷居が非常に高かったようです。
アイデアは素晴らしいと思いますが、時代が追いついていなかったゆえの失敗といえるでしょう。

個人のページになりますが、「たった一人のファミコン少年」というのサイトさんに現物の写真を含め、詳細な説明があります(当該ページはこちら)。
回線をつなぐだけでも大掛かりな準備が必要だった当時の時代背景がうかがえて興味深いです。



 ・SFC時代 サテラビュー

サテラビューCM↓


サテラビュー 衛星放送専用アダプター

BSアナログ放送で配信される番組を受診するための機器です。
ゲームを主とした番組もありました(サービスは1995~2000年まで)。

こちらはBS放送という、FCトレードよりは現実的な形態でサービスが開始されたものの、
SFCの主要プレイヤーである児童層にはBS視聴環境を用意するのが難しかったこと、
任天堂自身があまり宣伝に積極的ではなく、
手に入れる手段が当初は通信販売しかなかったことなどが原因であまり普及はしませんでした。

「BSファイアーエムブレム アカネイア戦記」や、
クロノ・クロスの原型となった「ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-」など、
サテラビューでしかプレイできなかったゲームも多く、
サービスの終了した現在ではプレイすることは絶望的に困難です。



 ・バーチャルボーイ
バーチャルボーイ (本体) 【バーチャルボーイ】

1995年に発売された3Dゲーム機です。
横井軍平さんが中心となって開発したハードですが、全世界で77万台ほどしか出荷されず、
歴代任天堂ハードの中ではぶっちぎりで普及台数の少ないハードになっています(それゆえレア度も高い)

この時期にゲームで3D映像を実現していたのは驚きですが、
赤と黒を基調にしたゲーム画面で目に悪いイメージがあったり、
すでにPSなどが発売され、次世代機にゲーマーの興味が移っていたり、
ゴーグルを覗きこむプレイスタイルのせいで周囲に面白さが伝わりにくかった結果、
普及に勢いがつきませんでした。

このように、ある意味任天堂の黒歴史とも言えるハードですが、
バーチャルボーイの公式ページはいまだに存在しており、なかったことにはされていません。
3DSの元ネタとも言えるハードであり、任天堂の裸眼立体視への飽くなき挑戦が始まった最初のハード*2とも言えますで、それなりに敬意を払っても良いハードなんじゃないでしょうか。

*2 正確には1987年に「ファミコン3Dシステム」というFC用の周辺機器があったが、3Dに見せるための技術がバーチャルボーイとは違っている。

当時はバーチャルリアリティなんて言葉がもてはやされていた時期ではあったものの、
技術がまだ追いついてなかったゆえの失敗ではないかと感じます。



 ・64DD
N64の下に取り付ける磁気ディスクドライブです(1999年発売)。
ロムカセットでは容量に限りがあったため、その限界を取り払って大容量のソフトが遊べることを期待されていました*3が、N64の普及速度が思わしくなかったせいか、発売が遅れに遅れました。

*3 当初はディスクシステムのようにディスクライターを設置し、中身を書き換えできるようにする予定だったらしい。
マリオパーティや時オカの追加コースも予定されていたそうなので普及しなかったのが非常に惜しい!


結局、任天堂とリクルートの合弁会社「株式会社ランドネットディディ」を通じて提供するネットワークサービス「ランドネット」専用の通信端末として発売されたのですが、
1999年といえばドリームキャストが発売し、PS2発売の噂も飛び交っていましたので、
64DDがユーザーの興味をひくことはできませんでした。

販売方法もローソンのLoppiなどを通じた通信販売でしか手に入らないなど、
入手方法が面倒な部分はサテラビューの頃と変わっていません。


ランドネットに入会すると、64DD用のソフトが順次配布されていたのですが、
前述のとおりほとんど普及しませんでしたので、どれだけのプレイヤーが遊べたかは疑問です。

しかし、「マリオアーティスト タレントスタジオ」の発想はMiiの原型になっていますし、
「どうぶつの森」はもともと64DD向けに開発されていたのが頓挫してN64向けに今の形になったそうですから、64DD自体は全くのダメハードではなかったように思います。

もっと早くに発売し、対応ソフトができていれば、
もっと違うゲーム体験を見せてくれたのではないかなと思います。
そういう意味では惜しいハードだと言えるでしょう。


「マリオアーティスト タレントスタジオ」にはムービーを作る機能があり、
それを利用した「社長あいさつ」というムービーが存在しています(下記の動画がそれです)。

当時の山内社長がお買い上げいただいたお客様にお礼を述べるという内容ですが、
秘書らしき女性の声でツッコミを入れられたりと、コミカルな内容になっています。
しかし、今見るとなるとこみ上げてくるものがありますね・・・。





 ・GCの3D表示機能

「社長が訊く『ニンテンドー3DS』 3. 岩田聡、過去の取り組みについて話す。」 で明らかになったことですが、
ゲームキューブには3D対応の回路が組み込まれており、
周辺機器を揃えれば3D表示ができるようになっていました。

ゲームキューブに専用の液晶ディスプレイをつけることによって3Dの映像が表現できたそうですが、
そのディスプレイが当時GC本体よりも高くついたため、
3D表示機能については世に発信されなかったそうです。

一応対応ソフトはできていて、ルイージマンションが対応していたそうです。
もし3D表示が実現していたら非常に驚かれていたでしょう。
ただ、3D機能をもってゲーム市場を掌握できたかというとそれは違うでしょうし、
高価だからまだ市場はないだろうとお蔵入りさせたのは、珍しく現実的な判断だったなと思います。




以上のように、任天堂は何度も度重なる失敗を乗り越えてのし上がってきた会社なのです。
独創的なアイデアはそうポンポン出るものではなく、使えないものや失敗作が山のように出てきます。

普通の会社ではそう何度も失敗していたら評価が下がりますが、
山内さん自身が何度も苦渋を経験してきただけに、これらの失敗を許容してきたのではないかと思います。

失敗を受け入れ、分析し、次に繋げる。
企業活動としては当たり前ですが、これがきちんと出来ているところは少ないです。
七転八倒しながらも、何十年とそのサイクルを回し続けたところに深い感銘を受けます。
この先、山内さんのような博徒みたいな経営者は現れないんだろうなと思うと、やはり寂しいですね・・・。



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